6月30日 恵比寿リトル歌劇団

エビ中文化祭〜恵比寿リトル歌劇団、ふたたび〜を見てきた。

昨年の文化祭はウェストサイド物語を下敷きにしたようなストーリーの芝居だったが、今年は夫婦仲が悪い家庭と、そこに住むシロアリという設定の芝居。

ストーリーは、これといって深い部分や伏線やらが無いお話だったので、もう途中から、エビ中メンバーの動きやら台詞回しのみを楽しむ感じになった。

中でも安本さんの演技がとても良かった。
安本さんの役所は嘘をつくと触角が伸びてしまうという(男の子?)のシロアリというものだったが、活発でセンシティブであり、小さい子の中性的な魅力といったものが良く表現されていたと思う。
杏野さんの演技も、台詞こそ少ないものの、女王シロアリという役を落ち着いた佇まいで演じていた。

劇中で歌われる曲は、流石に制作の時間の問題もあるのだろう、すべてエビ中の曲をパートを替えて歌うというものだった。
ストーリーの流れからの入りで、だいぶ唐突に歌われるのが残念だったが、大人はわかってくれないの冒頭部分を松野さんが歌ったのは見ものだった。
正直あまり歌が得意ではない松野さんがソロでアカペラに近いパートを歌うのは驚きだったが、結構歌えていたので、だいぶ練習したのだろうか。歌詞間違えて泣いていた松野さんとは思えない。
中高生の精神的な成長スピードは凄いなと思わせられる。

今回のミュージカルパートは着席でサイリウム禁止の環境で見れたのが素晴らしかった。(ライブパートではサイリウム大会になるが)
視界を遮る光る棒も、歌を遮る気持ち悪い野郎の声もなくライブを観れる事が、どれだけ楽しいことか。
エビ中メンバーもミュージカルの最中は歌いながら客席にレスを配る事もなく、ちゃんと役になりきってやっていたのも素晴らしかった。
客にレスをせずとも、こちらも大きなリアクションをしなくても、ちゃんと向き合えてる感じがした。

ストーリーは軽く、面白いという程のものではなかったが、普段見れない、お芝居をする所を見れる機会というのは貴重だ。
来年もあるのなら、もっとストーリーを練った、エビ中の曲に頼らない舞台が見たいが、そんな練習してる時間は無いか…

そういえば、シロアリはアリの仲間ではなく、ゴキブリの仲間である事を知ったのも思わぬトリビアだった。